微細気泡が貝類に与える影響調査
   2000年より発売している「微細気泡発生器」も順調に売上を伸ばし各方面で利用されていると、色々な興味ある事を見ること、聞くことがありその中で、どうしても気になることがあります。
  ホタテ貝に高濃度の微細気泡を当て、影響について実験中にきずいた事で散気管(コンプレッサー)で酸素補給をするグループと、微細気泡で酸素補給をするグループとに分けて実験中、後者のホタテが大量の糞をし、水槽の底にも水面にも大量の茶色の糞を見ることがあり、驚きました。
  また、牡蠣漁師さんから聞いた話では、微細気泡で蓄養した牡蠣の味がまろやかになる、渋みが無くなる、まぬけた味になる(そりゃないべ)など聞きます。
  そこでホタテ、牡蠣が微細気泡により、何かの刺激を受け糞の排出量が多くなるのでは?
  とすると、減毒や小型球形ウイルス(SRSV)対策に使えないかな?
実験場所 (株)森機械製作所  工場内
実験開始 01/2/6
実験方法 2基の水槽に牡蠣を入れ、微細気泡と散気管で酸素補給し排出物の量を比較する。
タンクA 水量 約240リッター
コンプレッサー、散気管方式量 7L/分
牡蠣 5.5Kg(湧別産)
海水温度 9.6°
溶存酸素濃度 94%
タンクB 水量 約240リッター
微細気泡20A 空気量 3.7L/分
牡蠣 5.5Kg(湧別産)
海水温度 9.4°
溶存酸素濃度 96%
@牡蠣の殻表面をきれいに洗浄
牡蠣の殻表面をきれいに洗浄
A牡蠣を半分に分けA、Bタンクに入れる
牡蠣を半分に分ける A、Bタンクに入れる
B24時間後
実験開始10時間目頃より牡蠣の貝開口部より、黒色粘性の液が糸状に出る。
一部は水面に浮く、また水面に茶色泥状の物質が浮き、タンク側面に張りつく。
発生はタンクBが圧倒的に多い。
A(散気管) B(微細気泡)
A(散気管) B(微細気泡)
C48時間後
タンクAの排出物量の増加は認められない。(偶然か2個体が死ぬ)
タンクBの排出物量は増え、タンク側面が黒くなる。(殻が割れた牡蠣も有るが、死んだ牡蠣は無い)
海水の汚れは、タンクAがひどく、少し茶色に見える、排出物が溶けているようだ。
タンクBは微細気泡の浮上効果で、海水中の微細物質を水面に浮上させているため海水は無色透明だ。
A&B
実験結果
  牡蠣の排泄に微細気泡が何らか影響し、排泄を促進しているようだ。
  また、微細気泡の浮上効果で、排出物が海水中に溶け、海水を汚す事が無い。  
  牡蠣、ホタテの蓄養滅菌処理中に、排泄を促進し、オゾン、紫外線等で殺菌する事で貝体内のSRSV数、細菌数を減少し、効率良く安全な牡蠣、ホタテ出荷ができるのではないかと思われる。

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